仕事や育児に追われる現代人にとって、ストレスはいつも隣り合わせの存在です。ストレスをため込んでしまうと、日常生活に支障をきたしてしまうこともありえます。 では、ストレスとうまく付き合うにはどうすればよいでしょうか。 今回はストレスの意味を振り返りつつ、ストレスを和らげるための考え方や、ストレスに負けないための対策などを解説していきます。
ストレスとは?
ストレスは英語でstressと表記されます。日本語に訳すと、圧迫や圧力、緊張などになります。 厚生労働省が運営するメンタルヘルスに関するサイトでは、ストレスを外部からの刺激によってもたらされる緊張状態だとしています。 日常生活を振り返ると、仕事で上司に怒られたときにストレスを感じたり、工事現場の騒音によってストレスを感じたりします。 現在でいえば、新型コロナウイルス感染拡大という外部環境の変化によって、経済面や健康面に関するストレスを受けている方もかなり多いことでしょう。 その点をふまえると、現在ストレスがないという方でも、環境変化によって突然ストレスに悩まされる事態もありえます。他人事だと思わずに、ストレスに対する知識や考え方、対策などを、自分なりに身に付けておいて損はないでしょう。 参考:知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)
ストレスが関係する病気
ストレスをため込んでしまうと、病気になってしまうケースがあるので注意が必要です。ストレスが関係する具体的な病気について知っておきましょう。 ストレスがたまりすぎると、うつ病になってしまう可能性があります。一般的にうつ病とは、気持ちがひどく落ち込んでしまう「うつ状態」が2週間以上続く症状をさすといわれています。 気力が低下したり、疲労感を感じたりする症状でもあるため、仕事をするうえでは大きな支障をきたしてしまうでしょう。 また、ストレスが影響を与えるのはメンタルに限りません。気管支喘息や、心筋梗塞、過敏性腸症候群などの身体的な症状もストレスに関連しているという見方もあります。 ストレスがあるからこそ、人間は現状を取り巻く問題点を認識できると考えられますが、心や体調を崩してしまうのであれば、過剰なストレスを感じているのかもしれません。 健全な社会生活を送っていくためには、ストレスをコントロールする技術も身に付けることも大切でしょう。 参考: こころの耳(厚生労働省) ストレスが関係するこころの病気(大阪がん循環器病予防センター)
ストレスの実態
厚生労働省による平成30年に行われた「労働安全衛生調査(実態調査)」では、メンタルヘルスに関する労働者の実態が把握できます。対象となった労働者の数は18,000人です。 平成29年11月1日~平成30年10月31日までの期間において、メンタルヘルスの不調をきたして連続して1ヶ月以上休業した労働者がいた事業所の割合は6.7%だったとのことです。 この結果からは、40人の学級を例として考えるとすれば、2~3人ほどの生徒が不登校になるというイメージが湧きます。 学校であれば、仮に休んでしまったとしても、他者に大きな迷惑をかけることにはならないでしょう。しかし企業であれば話は別です。少数といえども社員に会社を休まれると、業務の進行で打撃を受けてしまいます。 本人としても一度会社を長期的に休んでしまうと、周囲の社員に迷惑をかけたことが理由で再び出社しづらくなり、退職につながるケースもあるでしょう。 なんにせよ、社員と会社の両方の立場で考えても、ストレスによってメンタルに不調をきたさない仕組みが必要だといえます。 参考:平成30年労働安全衛生調査(厚生労働省)
ストレスを和らげるための考え方
ストレスをうまくコントロールできずに、体調を崩してしまうと、その分リカバリーするために多大な時間を要してしまうことがあります。 そうならないためには、ストレスを和らげるための考え方を知り、うまくコントロールし ていくことが大切です。ここからはストレスを和らげるための考え方を解説していきます。
考え方1.受け身の姿勢を減らす
私たちがストレスを受ける場面としては、自分が望んでいないことを強要されるときが多いのではないでしょうか。 たとえば、勉強が苦手な子供が親に無理やり塾に入れられた場合などがよい例でしょう。本人が努力してもわからないことを無理やり詰め込まれると、苦しい思いをするのは言うまでもありません。 ただ、そんな勉強が嫌いな子どもでも、自分が興味を持っているスポーツや趣味については驚くべき才覚を発揮することもあります。 好きなことを習うときであれば、先生にべったりと張り付いて、同じ授業でも楽しみながら学んでいくでしょう。 つまり、ストレスを和らげるために大切な考え方として、自発的に取り組める環境を日常生活に生み出していくことが大事だといえます。 毎日の生活でストレスを感じていると思ったときは、自分に合っていないことを無理に行っていないか、本当に好きなことから目を背けていないか、あらためて考えてみることが重要です。
考え方2.マスト思考を避ける
中学校の英語で「must」と英単語を学んだことかと思います。「~しなければならない」という義務を表す助動詞です。 私たちは忙しい現代において日々の生活を送る中で、膨大なタスクに追われてしまいがちです。 子どもを塾に送らなければならない親御さんもいれば、昇給のために資格を取得しなければならないサラリーマンもいるでしょう。 「~しなければならない」と思ってしまう機会が多いほど、ストレスを感じてしまいます。そのため、 実は自分だけでタスクをこなそうとして、余計なストレスを抱え込んでいるケースも少なくありません。家族や友人、同僚などに協力してもらえば、負担とともにストレスが減る可能性があります。 そのほか、「~しなければならない」というフレーズ以外にも注意したい言葉があります。「~すべき」です。 日常生活でこれらのフレーズをよく使っている場合は、本当に目の前のタスクは重要なのか、自分一人で実行しなければならないのか、一度冷静に見つめ直してみてはどうでしょうか。
ストレスに負けないための対策
考え方を変えただけでストレスが減れば苦労はありません。ここからは、ストレスに負けないための対策を紹介していきます。 塵も積もれば山となるという諺がある通り、一つひとつの対策を組み合わせていけば、きっとストレスの増大を食い止めやすくなるはずです。
対策1.ストレス解消リストを作る
ストレスを感じたときに、自分なりの気晴らしや解消方法があれば、うまく対処できることがあります。 たとえば、家の掃除をしたり、カフェで読書をしたり、旅行先で温泉に入ったりするなどです。 気軽にできるストレス解消方法としては、人と話すことも挙げられます。人に話を聞いてもらっているときに、前向きな気持ちになったという経験を持っている方も多いのではないでしょうか。 ただし、人によって気晴らし方法はさまざまだといえます。そのため、とにかく自分が好きなことを試して、ストレス解消効果を確認してみるとよいでしょう。 実際にストレスを和らげられた行為があれば、自分の中でリストに加えていきます。ストレス解消方法をストックしていくほど、ストレスに対処するための武器が増えていくはずです。
対策2.環境に対してアプローチする
会社という組織で仕事をしていると、嫌な人と一緒に過ごさなければならないケースがあります。すべての人が自分と同じ考え方を持っているわけではないので、ある意味仕方のないことです。 しかし、毎日嫌な人と一緒に過ごすのは大きなストレスを発生させます。ときには我慢の域を越えるときもあるかもしれません。 社会人として耐えなければならないと割り切って我慢できる人もいますが、そうでない人がいるのも事実です。 そのようなときは、一人でそのストレスを抱え込まないことが重要です。自分を取り巻く環境にアプローチしましょう。たとえば、同僚や上司に相談をすると意外とあっさり解決する場合があります。 基本的に、相談された立場としては悩みを解決するように動きます。相性の悪い人とできるだけ距離を離せるように仕事を調整してくれるかもしれません。 少しでもストレスを和らげられるにこしたことはありません。もう耐えられない・・・と思ったときは、信頼できる関係者に相談して環境を変えるアプローチを検討してみましょう。
対策3.機能性食品でストレスを和らげる
ストレスを減らすにはストレスを受けないための対策に目が行ってしまいがちですが、食品によってストレスの疲労を和らげられるという見方もなされています。 たとえば、ゼリア新薬工業は、ストレスを解消したいというニーズを受けて、メロンSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)配合の「やすらぎ生活」という機能性表示食品を販売しています。原材料は、3週間以上にわたって新鮮な状態を保つメロンの果汁濃縮物です。 メロンSODは、ビタミンCの7,000倍の抗酸化力があるとのことです。SODは、日常生活で認識できるストレスを減少させられると報告されています。 機能性表示食品とは、安全性の確保を前提として、科学的根拠にもとづく機能性に対して、事業者が責任を負う食品です。消費者庁にも届け出されるため、一定の信頼性があるとわかります。 そのため、食品でストレスを和らげられることに対して疑問を持つ方でも、試しやすいのではないでしょうか。 参考:メロンSOD配合でストレスによる疲労感を軽減する「やすらぎ生活Ⓡ」(PR TIMES)
ストレスの発見に役立つチェックツール
ストレスを受けると苦しい気持ちになりますが、目に見える存在ではないことからその度合いを把握するのは難しいでしょう。 知らず知らずにため込んでしまったというのはよくある話です。ストレスを蓄積してしまう前に検討できるのが、厚生労働省の提供しているストレスチェックツールです。 チェック終えると、自分が抱えているストレスの状態について分析結果が表示されます。 ストレスの原因因子やストレスによる心身反応、ストレス反応への影響因子などが図でわかるようになっています。 たとえば、職場環境や対人関係によるストレスの度合いがわかったり、疲労感や抑うつ感、不安感などの状況を把握できたりします。 また、結果を受けてストレスをコントロールするための対策についても、コメントでアドバイスを表示してもらえます。 アドバイスの例としては、仕事量を見直したり、同僚と仕事内容について相談したりすることを促す内容などです。 ストレスをため込んでいると感じている方は、ぜひ一度ストレスチェックを試してみてはいかがでしょうか。 参考:5分でできる職場のストレスセルフチェック(厚生労働省)
コメントを残す