物心ついたころから、勉強が苦手だと感じている方もたくさんいるでしょう。中には受験で失敗して以来、勉強を避けて生活をしている方もいるかもしれません。
しかし、人生を充実させるためには学びは不可欠です。生涯学習という言葉があることが、そのことを裏付けているといえるでしょう。勉強が苦手になってしまったのは、勉強方法を間違えていたことが理由として挙げられます。
今回は、勉強に苦手意識を持つ方に向けて、あらためて間違った勉強方法を解説していきます。
間違った勉強をやめるべき理由
勉強は私たちの生活では切り離せない行為です。勉強をすれば、資格を取得して給与があがったり、仕事で成果を生み出して昇給したりできる可能性も高まります。
しかし、勉強をしても成果が出ない人は少なくありません。成果が出ない人は、勉強方法を間違えている可能性が高いです。
間違っている勉強方法をやめれば、大幅に勉強時間を削減できます。浮いた時間を自分の好きに使えるようになるので、ストレスも軽減されるに違いありません。
また、効率的に勉強する習慣を獲得すれば、お金に関する制度をスムーズに理解したり、趣味についてより深く極めたりできるでしょう。
学んでいたことが役に立ち、新たな仕事が舞い込んでくる可能性もあります。
人生を豊かにするためにも、間違った勉強方法を止めることが大切です。
間違った勉強方法
間違った勉強方法を解説していきます。日ごろの学習で心当たりがある方は、あらためて悪習慣を避けるようにしましょう。
誤り1.わからないことを放置する
勉強をするとき、参考書を読んだり、問題集で問題を解いたりします。そのときにわからないことが出てくることは少なくありません。
わからないことはわからないから仕方がないと思ってしまう方もいるでしょう。しかし、わからないことを放置すると、そのことをベースとした学びが得られなくなります。
たとえば、数学で文字式という考え方があります。文字式がわからなければ数式を記号で表すことができず、方程式も立てられません。方程式がわからないと、連立方程式もわからなくなります。
このように一つのつまずきが連鎖し、たくさんのことがわからなくなると、最終的に勉強が嫌いになってしまいます。
この世の中には難解で理解できないことはたくさんあります。しかし、私たちが日常で学ぶことに関してはほとんど理解できることばかりです。
特に現代はインターネットが発達しており、費用をかけずにわからないことを気軽に調べられるようになっています。わからないことがあったら自分で調査する習慣をつけるようにしましょう。
誤り2.復習をしていない
勉強でありがちなのが、たくさん勉強すれば成果が出ると思ってしまうことです。
たしかに勉強時間が多ければ学べる量も増えます。しかし、膨大な時間を勉強に費やしても、忘れてしまえば意味がありません。
残念ながら、人間は忘れる生き物です。そのことをグラフで表した曲線が「エビングハウスの忘却曲線」です。
たとえば、新しい情報を暗記したとしましょう。20分後には42%を忘れ、1時間後には56%を忘れ、1日後には74%を忘れてしまいます。
したがって、復習をしない人はいくら勉強をしても効果が出ません。復習を重視するようにしましょう。
誤り3.人に質問しない
わからないことがあったとき、参考書や辞書などで調査したとしましょう。しかし、そもそも参考書や辞書などがわかりにくい表現を用いている可能性があります。
その場合、読者の理解力が不足しているわけではありません。したがって、いくら理解に努めても時間を無駄にしてしまうことになります。
反対に人に聞けば臨機応変な解説が返ってきます。イラストを描いてさらにわかりやすく説明してもらうことも可能です。柔軟に解説してもらえるので、スムーズに理解できます。
それにもかかわらず、人に質問をしない人がいます。いつまでも参考書や辞書とにらめっこして時間を無駄にするのはもったいありません。
自分で調べて考えてもわからないことは、恥ずかしがらずに教えてもらうようにしましょう。
誤り4.不必要な部分まで学んでしまう
試験で出題される問題は、すべてが同じ難易度とは限りません。問題によっては正答率が異なり、誰でも正解できる問題もあれば、一部の人しか正解できない問題もあります。
仮に資格試験を受験するのであれば、どちらの問題を優先して学習すべきでしょうか?答えは誰でも正解できる問題です。
難易度が極端に高い試験であれば話は変わるかもしれませんが、一般的な資格試験は仕事や業務に関する基本を学ばせる目的で実施されていることが多い傾向です。
一部の人しか正解できない問題が解けたとしても、試験問題の多くを占める基本問題について解けなければ、試験に落ちてしまいます。
そのため、資格試験に合格したいのであれば、正答率の低い問題を後回しにすることが大切です。
わからない難問を目にすると理解できるまで固執してしまうことがあります。しかし、誰も解けない問題に時間をかけるのは時間の無駄につながります。
勉強の目的によっては、不必要な部分まで学習する必要がないことを最低限知っておきましょう。
誤り5.ノートを取ることに満足してしまう
勉強をするときに参考書を読んでノートにまとめている方もいるでしょう。
しかし、単にノートに参考書の情報を書き写したとしても、勉強をしたことになりません。なぜなら、参考書をノートに書き写すだけなら、参考書をコピーしたほうが早いです。コピー=勉強と考える人はおそらくいないでしょう。
ノートを取る目的はあくまで覚えるべき内容を記録することです。ノートに書き写したことを理解して覚えた時点で、はじめて勉強をしたと言い切れます。
勉強をするときは、ノートを取ることだけに満足しないよう、くれぐれも注意してください。
誤り6.読む本に偏りがある
自己研鑽を目的として読書にチャレンジしている方もいることでしょう。読書の際に注意したいのが、同じ著者や同じジャンルばかり読んでしまうことです。
読書対象の幅が狭いと、自分の偏見が助長してしまうリスクがあります。人によっては自分の考えに近い書籍を読んでしまうこともあり、価値観も固定されやすくなってしまうでしょう。
したがって、知性を磨くために読書をするのであれば、幅広いジャンルの書籍を選んだり、自分の意見や考えとは異なる書籍を手に取ったりすることが大切です。
バランスを取る読書方法としておすすめなのが3点読みです。一つのテーマに対して賛成派の書籍、反対派の書籍、中立派の書籍を選びます。
一つのジャンルに対してメリットやデメリットを学べるので、学習したことを正しい判断に活かしやすくなるでしょう。
誤り7.アウトプットしていない
勉強をしているのに学んだことが記憶に残らないと悩んでいる方もいるでしょう。もしかしたら情報をインプットばかりしていて学んだことをアウトプットしていない可能性があります。
インプットとは頭に情報を入力する作業です。具体的には読む・聞くなどの行為が該当します。
その一方でアウトプットとは、インプットした情報を頭で整理して外側に出力する作業です。具体的には、話す・書く・解くなどの行為が該当します。
おすすめのアウトプット術がエアー授業です。自分が教師になったつもりで想像上の生徒に学んだことを声に出して教える方法です。
説明内容を考える最中に、自分が理解できていない部分を見つけることもできます。
もちろん架空の生徒でなくても問題ありません。家族や友人、知人などに学習して面白かった内容を話題として共有するのもありです。
参考書やテキストを見ている時間が多い方は、アウトプットを心がけるようにしてみてください。
誤り8.便利なツールを活用していない
何かを学ぶとき、私たちは専門家から授業を受けたり、参考書を読んだり、問題集を解いたりします。しかし近年、さまざまな学習ツールが登場しており、中には無料で学習効果が高いものもあります。
例えば、プログラミング言語を学習しているとしましょう。書籍を読んでいるだけでは限界があります。自分でプログラムを入力・実行して動作を確認した方が効率的に学べます。
最近では、プログラムを入力・実行できる学習ツールを気軽に用意できるようになっています。
このように便利なツールがあるのに利用しない手はありません。電子レンジがあるのに使わない人はいませんよね。
一般的な勉強方法に固執せず、効果があると思える学習方法があれば率先して試してみてください。
他者の学習方法も参考にしてみよう!
以上、間違った勉強方法について解説していきました。間違った勉強方法について心当たりがあった方もいたのではないでしょうか。
ただ、勉強方法は千差万別であり、人それぞれです。人によっては、一般的に誤っているといわれる学習方法が適しているケースもあるかもしれません。
しかし、勉強方法の是非は簡単にわかります。試験の点数や合否、仕事の成果などを確認すれば一目瞭然です。
長期的に勉強して成果が出ていないのであれば、勉強方法を誤っている可能性が高いです。誤った学習方法に固執してしまうと、時間を浪費してしまいます。いつまでも成果がでなければ、勉強が得意でないと勘違いする事態にも陥りかねません。
したがって、勉強方法が間違っていると感じたら、別の学習方法の切り替えを検討する必要があります。切り替えて成果が出たのであれば、同じ学習方法を継続していけばよいわけです。
現在は、著名な学者や高学歴芸能人などがさまざまな学習方法を書籍やインターネットで発信しています。他者の学習方法を比べると、自分の学習方法を客観的に分析できます。
もちろん、正しい勉強方法を知っているのは有名人だけに限りません。家族や知人、友人の中にも、効率的な学習方法を知っている方もいるかもしれません。
いずれにせよ、自分の勉強方法に自信のない方は、他者の学習方法も参考にしてみるとよいでしょう。自分の殻にこもらず積極的にコミュニケーションをとることも、勉強の悪習慣を改善するのに不可欠な要素です。
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