年齢を経るにつれて体調や見た目が気になってしまうという悩みが生じてきます。20代と比べてしまいがちな30代も、その例外ではないでしょう。その点、少しでも健康的な生活を送るために、筋肉トレーニングをしたほうがよいのか、気になるところですよね。今回は30代の筋トレ・ダイエット事情にはじまり、筋トレメニューを紹介します。筋トレの注意点にも触れているので、あわせて参考にしてみてください。
30代の筋トレ・ダイエット事情
30代の筋トレ事情を知る際に、男性専門総合美容クリニックであるゴリラクリニックの調査データ(2019年実施)が参考になります。早速、30代の筋力トレーニング経験や体型への満足度、鍛えたい部位に対する調査結果を紹介していきます。
筋力トレーニング経験
30代の方に対する「今までの筋力トレーニング経験は?」という質問に対して、「現在も定期的に行っている」と答えた回答者の割合が16.7%、「ときどき行っている」と答えた回答者の割合が22.0%との結果が得られています。
それぞれの割合を合計すると38.7%です。30代のうち3人に1人以上は筋トレをしていたことがわかり、決して少ない割合ではないと感じるのではないでしょうか。
体型への満足度
30代の方に対する「現在の自分の体型に満足していますか?」という質問に対して、「とても満足している」と答えた回答者の割合が4.0%、「少し満足している」と答えた回答者の割合が27.3%との結果も得られています。
30代のうち、3人に1人ほどは自分の体型に満足しているようですが、そのほかの大多数は満足していないことがわかりました。このことは、30代になると体型を気にする方が多くなるとも読み取れるので、その点から筋トレを検討してくる方も出てくるのかもしれません。
鍛えたい体の部位
「あなたが鍛えたい身体の部位はどこですか?」という質問に対して、「腹筋」と答えた回答者の割合が60.1%、「わき腹」と答えた回答者の割合が25.8%という結果が得られています。
全世代ともに腹筋やわき腹が上位となっていることから、30代についてもお腹に関する筋トレに興味を持つ方も多いといえそうです。
参考:
30代になると筋力が低下する?
年齢を重ねると体が衰えるのはわかるけれど、「30代ではまだまだ若いのでは?」と考える方も当然いるでしょう。筋力低下といってもピンとこない方もいるかもしれません。
森永製菓株式会社は2020年7月、週3回以上トレーニングしている男女600人を対象に筋トレ意識に関する実態調査を行いました。
「コロナ禍で筋力が低下したと思いますか?」という質問に対して筋力低下を実感した30代男性の割合は43.1%、筋力低下を実感した女性の割合は48.0%という結果が得られています。
コロナ禍も相まって、半数に近い30代の方が筋力低下を実感しているようです。
このような実情を知ると、30代の方にとって筋力低下の悩みは他人事ではなく、必要に応じて筋力トレーニングを開始できるよう、心の準備をしておく必要があるといえるでしょう。
30代の筋トレメニュー
「こんなに太っていたかな…?」
30代になると、お腹周りの見た目はどうしても気になってしまいがち。腹筋を鍛える基本的な筋トレメニューを紹介するので、時間を見つけてぜひ試してみてください。
筋トレメニュー1.スクワット
ライザップのトレーナーによると、腹筋が割れて見えるようにするには、体脂肪を落としやすくするために、基礎代謝向上を目的とした大きな筋肉を鍛えるトレーニングが必要とのこと。そのための代表的な筋トレメニューがスクワットです。
スクワットとは、上半身を垂直に伸ばした状態で行う膝の屈伸運動です。簡単にいうと、しゃがんで立ち上がる動きを繰り返す運動です。太ももやお尻などの下肢全体を広く鍛えられるトレーニングとして知られています。
スクワットの手順は下記の通りです。
ステップ1:脚を腰幅から肩幅に開く
ステップ2:つま先を膝と同じ方向にする
ステップ3:手を胸の前で軽く組む
ステップ4:太ももと床が平行になるようにヒップを下げていく
ステップ5:脚とヒップの力を抜かずにゆっくり戻していく
ステップ6:ステップ3~ステップ4を繰り返す
膝とつま先が違う方向を向いた状態で運動すると、負荷が筋肉ではなく間接に生じてしまう恐れがあります。ひざの周りを傷めてしまわないよう注意してください。
参考:
腹筋を割るための最短で効率の良い鍛え方【プロが教える腹筋の筋トレ】(ORICON NEWS)
お腹の脂肪燃焼にも!? スクワットのダイエット効果と実践方法(KONAMI SPORTS CLUB)
筋トレメニュー2.プランク
プランクとは、板のように一直線に体を保つことで、腹筋全体に負荷を与えるトレーニングです。静的な自重トレーニングの一種であり、身体への負担が少ないといわれています。
すぐに効果があらわれるトレーニングではありません。そのため、継続的な実施を心がけることが大切です。
プランクの手順は下記の通りです。
ステップ1:うつぶせの状態で床にふせる
ステップ2:肘を直角にまげて肩の真下になるように床につける
ステップ3:前腕と肘、つま先を床につけて体を浮かす
ステップ4:頭から足にかけて一直線の状態を保つ
まずは、30秒から1分の時間で3セットを目安に実施してみましょう。姿勢が乱れてしまうと効果が薄くなってしまいます。正しいフォームを維持できなくなった時点で、いったん止めるように意識します。
参考:プランクで腹筋を鍛えられる?正しいフォームや4つのポイントも解説!(RETIO BODY DESIGN)
筋トレメニュー3.ニートゥチェスト
ニートゥチェストとは、腹部で鍛えづらい腹直筋下部という筋肉を鍛えるためのトレーニングです。椅子を使って簡単に始められるトレーニングであり、デスクワークの合間にも取り入れやすいといえます。
椅子を用いたニートゥチェストの手順は下記の通りです。
ステップ1:椅子に浅く腰掛ける
ステップ2:座面をしっかり持つ
ステップ3:1秒ほどでひざを胸に引き寄せる
ステップ4:2秒ほどでもとに戻す
床に足を戻すときは、床に足をつかせないように浮かせるのがポイント。
また、腹直筋下部が刺激されていることを意識することも大切です。刺激されていないときはフォームに原因がある可能性があるので、適宜見直すようにしましょう。
ちなみに、ニートゥチェストは椅子を利用せずに、床で行えるトレーニングもあります。
30代が知っておきたい筋トレの注意点
30代になって体型や筋力低下が気になって、今まで以上に筋トレに一生懸命取り組み始めた方もいるかもしれません。ただし、筋トレには思わぬ落とし穴があり、下手をすれば逆効果をもたらすこともありえます。
厚生労働省も、運動を闇雲に行ってはならないことを注意喚起しています。
“運動は諸刃の剣といわれるように、やりすぎると腰痛などの関節痛を起こしたり、あるいは循環器系の合併症を引き起こしたりする可能性もあります。運動は闇雲にただやればよいのではなく、安全で効果的に行うためにはいくつかの決まり事があります。”
引用:運動プログラム作成のための原理原則 -安全で効果的な運動を行うために(厚生労働省)
筋トレで特に注意しなければならないのが、酸化ストレスです。酸化ストレスは、活性酸素の発生で人体に有害な影響を与える作用として知られています。
専門家の見解によると、負荷がかかった筋肉には活性酸素が発生しますが、人体の防御システムを上回ると酸化ストレス状態になり、筋肉がつきにくくなってしまうとのことです。
毎日同じ部位の筋力トレーニングをしたり、筋肉痛を感じている状態で筋力トレーニングを継続したり、筋力トレーニングで体調不良を感じていたりする人は、酸化ストレス状態になっている可能性があります。
また、トレーニングに際して知っておきたい知識として、可逆性の原理もあります。獲得した効果は、トレーニングの中止によって失ってしまうことがあるのです。
このように、筋肉トレーニングには事前に知っておくべき知識がたくさんあります。
適切な効果を得るには、トレーニングの基本知識から習得することが大切です。筋力トレーニングの基本知識を持たない状態で、やみくもにオーバートレーニングをしないよう注意しましょう。
参考:トレーニングが逆効果に!? 52%の人が陥る「筋トレロス」とは?(森永製菓)
筋トレでは食事メニューを考えることも大切!
筋トレによって体重のコントロールをしたいがあまり、メイン料理を控えめにしてしまうことはありませんか?
実は、タンパク質が不足すると筋トレの効果が下がってしまう可能性があります。エネルギーが足りなくなると体は筋肉の分解によってエネルギーを補う働きをするからです。
そのため、1日3食のメイン料理は、いつも通り食べるのが基本です。栄養士によると、タンパク質の摂取量は、男性であれば1日60g、女性であれば50g程度といわれています。
肉には脂質が多く含まれるため、魚をメイン料理に組み入れるように意識しましょう。
主食について、ごはんとパンで迷ってしまう方もいるでしょう。パンは脂質が多いほか、バターやジャムをつけて食べてしまいがちですよね。その点をふまえると、ごはんが適しています。
また、副菜としてサラダを摂取する場合、ノンオイルのドレッシングを使うように心がけましょう。
参考:30代から体はどんどん変わる?「筋肉を育てる」食事が重要な理由(DIAMOND online)
筋トレをするならオンラインフィットネスサービスの利用も検討
筋トレは専門知識がないと、効果が出ないケースがあるということを知り、モチベーションが下がってしまった方もいるかもしれません。
そのような方には、気軽に専門家のアドバイスを聞けるオンラインフィットネスサービスもおすすめです。
オンラインフィットネスであれば、ジムに通わなくてもトレーナーからアドバイスを受けられ、自宅でも正しい方法で筋トレに取り組めます。
映像音声通話によってリアルタイムで筋トレの方法を教えてくれるサービスや、専属の管理栄養士が食事について指導してくれるサービスなどもあります。
それぞれのサービスを比較すれば、自分に適した筋トレを行える理想の環境が見つかるでしょう。これから筋トレを始めてみたいという30代の方も、ぜひオンラインフィットネスサービスを検討してみてください。
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